歯の根っこにたまった膿を治す治療(重度のむし歯+歯の根っこの炎症の治療)

3年以上経過して、神経を取った歯の根っこに、レントゲンで病巣が見られることがあります。原因はいろいろありますが、根っこでバイ菌が悪さをして、膿を持っている場合が多いです。
「歯の神経を取る治療」で書きましたが、治療の不手際によるものも少なくありません。あるいはむし歯が慢性化して、歯の神経をつたって根元まで進行していき、そこで病巣を作っている場合もあります。
どちらの経過をたどっても、痛みをともなう場合もあれば、痛みが無いまま進行している場合もあります。そのため定期検診をしている人ですら痛みがなければ見落とされがちです。この治療は、なかなか厄介です。

病巣の大きさにもよりますが、この治療は歯科医師が相当気合を入れてかからないと治癒しません。
一見、歯の神経を取る治療とよく似ていますが、技術的難しさはその比ではありません。見えない部分に何が起こっているのか、想像しなければなりません。顕微鏡をのぞいたところで、見えるレベルのものではないのです。
確信を持って治していくためには、手先の器用さ、変化に気がつく五感の注意深さ、分子レベルで現象を判断して説明をつけられることが不可欠だと思います。
痛みがなくなったことが、必ずしも治ったことにならないのがこの治療の難しいところで、怖いところです。
治療が終わって最低1年は経過を追わなければ、本当に治ったかどうか判断できないのがこの治療です。再々治療を繰り返すたびに歯の寿命が削られていきますので再発を繰り返している方は要注意です。